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シェーグレン症候群患者さんの半数以上が「つらい」と悩む『口の乾き』 我慢しないで医師に相談を

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口臭や口内炎、口腔カンジダ症などを起こす場合も

 シェーグレン症候群は、罹患者の多くが中高年女性の自己免疫疾患です。
 シェーグレン症候群の症状はドライマウス(口の乾き)やドライアイ(目の乾き)、疲労感や関節痛など、多岐にわたります。シェーグレン症候群は、診断までに時間がかかる患者さんも多く、受診せずにドラッグストアで買えるお薬で対処したり、症状があっても我慢したり、病気であることに気付かなかったりする、多くの“隠れシェーグレン症候群”の患者さんがいると考えられています。

 そうした、我慢しがちなシェーグレン症候群の症状の1つが『口の乾き』です。「口がネバネバする」「水で口を湿らさないと、長い時間しゃべり続けられない」「食べ物が飲み込みにくい」「口が乾いて眠れない、起きてしまう」といった状態になり、生活の質(QOL)に大きな影響を及ぼします。さらには、虫歯の増加や口臭、口内炎、口腔カンジタ症なども起こすこともあります。今回、QLifeではシェーグレン症候群の患者さんの『口の乾き』についての調査を実施しました。その結果をご紹介します。

シェーグレン症候群について相談(診療)できる病院を探す

シェーグレン症候群の患者さん100人に聞きました
「口の乾きが原因で困ったこと、つらいこと」

シェーグレン症候群患者さん100人に口の乾きについて聞いたところ、なんと95人の患者さんが『口の乾き』の症状を自覚していたことが分かりました。そこで、95人の患者さんに『口の乾き』が原因で困ったこと、つらいことについてうかがいました。

【虫歯が増える】

  • 食べ物カスが残ってはいけないと思い、歯磨きは人一倍時間をかけるようにはしているのですが、3か月くらいで歯科検診に行くと必ず虫歯が出来ていて唾液のありがたさを知らされます(60代女性)
  • 歯科医から自分の歯が全部なくなるのを覚悟してくださいと言われていて、部分入れ歯、ブリッジなどで対処していますが、歯がなくなるのはかなり辛いです(60代女性)

【食べにくい(摂食・嚥下障害)】

  • 唾液が多いほうで飴などを舐めると一番先になくなっていたのだが、シェーグレン症候群になってからは、唾液がほとんど出ないので食べにくく水など飲み物がないと飲み込むことが出来ない。自分の歯が少なくなってしまったので、良くかんだり出来ないので、味わうこと、おいしいと感じることが少なく飲み物と一緒に丸呑みすることが多い。食べることが好きな私にとって、辛いし食べる速度も遅いので恥ずかしい思いをしている(70代女性)

【口臭が気になる】

  • 口の乾きで、朝は必ず臭う。対人会話に抵抗を感じる。日中はマスク常備で口の乾燥予防に努めるが、相手に小声で伝わるため、伝わりにくい時はマスクを外すが、不快感を表す相手も多く、自分より相手の反応が辛い(40代女性)
  • 口の中がネバネバして自分でも匂いを感じることがあり、人と会う時は歯磨きやミント系のタブレット、グミなどが手放せない(60代女性)

【話しにくい(会話障害)】

  • 仕事柄、話すことが多いが、5分程度話すと口が乾き、咳き込みそうになる。口が回りにくいので語尾があいまいになったり、正確な言葉で話せなくなる。常にのど飴や飲み物を用意してマスクをして、乾きを防ぎながら仕事をしている(20代女性)
  • 娘と話している途中、「水飲んだら」と良く言われる。友人などには、シェーグレン症候群のことは伝えていないので会話に入っていけない場合が多い。おしゃべりが好きだったが、最近は聞く側ばかりで話すのが億劫になる。電話の時は、傍に水を置いておくが、滑舌が悪いので何度も聞きかえされる(60代女性)

その他にも、以下の症状で患者さんは「つらい」と感じていました。

【よく眠れない(睡眠障害)】

  • 口腔と喉の乾燥感で、夜中に何度か目が覚めるので、熟睡できない(20代女性)

【味が分かりにくい(味覚障害)】

  • 好きな物を食べても、味が分からないので、食べた気持ちにはならない(60代女性)

【口内炎ができやすい】

  • 口内の乾きで頬を噛むことが多くなり口内炎ができやすくなる。痛みがあるが薬を塗ってごまかしている。トマトなどはしみるので食べられない(60代女性)

【風邪、口腔カンジダ症など感染症にかかりやすい】

  • 感染症にかかりやすく口腔カンジダは何度も罹ったことがあり食べることが出来ず、辛い。カンジダは舌に出来るので、味覚がわからなくなるので辛い(60代女性)
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「つらさ」の有無に関わらず、『口の乾き』があればまずは医師に相談を

 病院・クリニックで行われる、シェーグレン症候群によるドライマウスの治療には、唾液の分泌を促す薬をはじめ、人工唾液スプレー、ジェル、軟膏などが使われます。筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー)教授の住田孝之先生は「『口の乾き』とそれに伴う症状は、シェーグレン症候群の患者さんにつらさを与えていることが今回の調査で明らかになりました。患者さんの QOLに大きな影響を与える『口の乾き』を改善するには、唾液の分泌を促す薬剤をはじめ、様々な方法を組み合わせ継続して唾液分泌を促していくことが重要です」と、我慢しないで病院・クリニックで治療を行う必要性を強調します。「口の乾きでつらさを感じているかどうかによらず、口腔乾燥の症状があれば、まずは医師にご相談ください」(住田先生)

筑波大学医学医療系内科(膠原病・リウマチ・アレルギー) 教授
住田 孝之 先生

専門は内科学、リウマチ・膠原病、免疫学、分子生物学。
日本リウマチ学会専門医、指導医
日本内科学会認定医
日本シェーグレン症候群学会理事(2009.4~)、理事長(2009.4~2014.9)

提供 キッセイ薬品工業株式会社

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